Misakichi’s ログblog

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ブロッホの定理の第二の証明

基本的な事柄だが、しっくり理解できたのでメモ


波動関数を平面波で展開した式
{\displaystyle
\psi(r)=\sum_qc_qe^{iqr}
}
(ただしこのqは逆空間中に存在するすべてのqでブリルアンゾーン内外に存在する)
また周期ポテンシャルを平面波で展開すると
{\displaystyle
U(r)=\sum_K U_Ke^{iKr}
}
(ただしポテンシャルは格子と同じ周期をもつので、そのフーリエ展開成分は逆格子ベクトルの和で構成される)
シュレーディンガー方程式
{\displaystyle
(-\frac{\hbar^2}{2m}\frac{d^2}{dx^2}+U(r)) \psi(r) = \varepsilon \psi(r)
}
に代入し、
{\displaystyle
\frac{\hbar}{2m}\sum_q q^2 C_q e^{iqr}+\sum_K \sum_q U_K C_q e^{i(K+q)r}=\varepsilon\sum_qC_qe^{iqr}
}
ここでフーリエ係数を比較するために
{\displaystyle
\sum_K \sum_q U_K C_q e^{i(K+q)r}=\sum_K \sum_{q'} U_K C_{q'-K} e^{iq'r}
}
と変形すると便利


それぞれのqに対応するフーリエ成分が、両辺で等しくなければいけないので基本方程式
{\displaystyle
(\frac{\hbar^2}{2m} q^2-\varepsilon)C_q + \sum_K U_K C_{q-K}=0
}
が得られる。これはC_kC_{k±K}C_{k±2K}....が満たすべき方程式である。
もしこの方程式を解ければ、波動関数
{\displaystyle
\psi_k=\sum_K C_{k-K}e^{i(k-K)r}
}
で表される。これは
{\displaystyle
\psi_k=e^{ikr}(\sum_K C_{k-K}e^{-iKr})
}
と書けるのでブロッホの型をしている。rの代わりにr+Tを代入しても右の項は変化しない。したがって
{\displaystyle
\psi_k=e^{ikr}u(r)
}
の形に書ける。(ブロッホ関数)


また例えば異なる波数を持つ①kと②k'を第一ブリルアンゾーン中にとってみて、それぞれに対する基本方程式を解くことを考えてみる。するとそれぞれのエネルギー固有値に対して①C_kC_{k±K}C_{k±2K}....の値が得られ同様に②C_{k'}C_{k'±K}C_{k'±2K}....の値も得られる。それぞれに属する波動関数は異なる波動関数。図にして示すと
f:id:Misaki_yuyyuyu:20150828225944j:plain
それぞれの解には、丸で示したエネルギー固有値が存在し、そのそれぞれに波動関数が存在する。